どうも、ぞーげきゅうです。
私はこの名のとおりパキポディウム・グラキリス(和名:象牙宮)が大好きで、
No gracilius, no life!三度の飯よりグラキリス!な愛好家です。(笑)
そんな私が日々考えているのは、
現地球を良い形のままさらに立派に育てたい!
実生株を現地球さながらの良い形に育てたい!
ということです。
これは全てのコーデックスラバーに共通する想いだと思います。
そして、そのための一番の近道は何か?と考えると、やはり行き着くのは、
「自分の育成環境を自生地に近づける」こと。
そのためには、まず現地を知るところから!
ということで今回、グラキリスの自生地について調べてみました。
グラキリスの自生地マダガスカル
パキポディウムの宝庫
パキポディウム・グラキリスの故郷は、南半球に位置する島国マダガスカル。
マダガスカルは約1億年前に大陸分裂によって孤島となりました。
それ以降他の生態系から孤立したことで様々な生物が独自の進化を遂げ、多様な固有動植物が生息しています。
そんなマダガスカルは、グラキリスを含む塊根植物の多くが自生するパキポディウムの宝庫です。
マダガスカル全土は熱帯に属する島ですが、気候は地域によって大きく異なります。
南北に長いため気温差があり、また中央山地の高原が風を遮り西部と東部での乾湿差が大きいようです。
そういった多様な気候から、砂漠化した乾燥地帯や標高の高い比較的冷涼な岩場など、それぞれの環境に適応した多くのパキポディウム属が分布しています。
イサロ国立公園
そして、パキポディウム・グラキリスは、そんなマダガスカルの中でも南西部に位置するイサロ国立公園付近に自生しています。
“マダガスカルのグランドキャニオン”と呼ばれるイサロ国立公園は乾燥した山岳地帯で、砂岩の断崖や岩山の頂上付近で硬い大地に根を下ろして自生しているグラキリスの姿が見られるそう。
強い日射しを遮るものはなく水や養分も少ない、とても過酷な環境でたくましく生きています。
海外の写真共有サイトで二次利用が許可されている現地の写真を掲載させていただきました。
(どれも本当に素晴らしい貴重な写真で、公開してくださった方々に感謝です…!)
こんな岩々の隙間のわずかな土などに根を張って自生しているようです。
しかし…こうやって現地で厳しい環境を生き抜いて育った株は、やっぱりワイルドでカッコいいですねー!
自生地(イサロ国立公園)の気候
さて、そのイサロ国立公園の気候ですが、南半球に位置するため、北半球の日本とは時季的に真逆になります。
そして季節は主に雨季と乾季に分かれています。
イサロ国立公園と日本(東京)の年間の平均気温と降雨量はこんな感じ。
※季節が逆なので、比較しやすいように横軸を半年ずらしています。
こうして見ると、やっぱり日本とはかなり気候が違いますね。
“日本で育った株は現地球のようには育たない” と言われていますが、逆に言えば、この現地環境に近づけることができれば、現地球のように立派な姿に育てられるはず!
【考察】自生地の生育環境を考える
ということで、日本と比べた自生地の特徴について言語化すると…
- 年中気温が高い
- 一日の気温差が大きい
- 雨季には意外と結構雨が降る
これらを踏まえて、自生地の生育環境を再現するには?
ひとつずつ考察していきます。
①年中気温が高い
- 年間を通して最高気温は25℃以上。
- 最低気温は一番低い時期で10℃程度。
※データは平均なので10℃を下回ることもある - 日本の6~9月頃は現地に近い気温になる。
※ただし真夏の最低気温は高め
【私の推測(仮説)】
グラキリスを育てる上で、冬場の休眠中の温度も意外と重要なのでは?と考えています。
暖房の効いた室内に取り込んでいると、最低気温は自生地に比べて結構高くなってしまうと思いますが、それによって蓄えた養分などを消耗してしまうのではないか?
また、自生地では休眠期でも最高30℃近くまで気温が上がっていることを考えると、やはり休眠中も昼間は窓越しの日光などに当ててしっかり温度を上げてやることが後々に重要で、それが春以降の立ち上がりや成長具合に影響するのでは?と推測しています。
②一日の気温差が大きい
- 年間を通してイサロ国立公園は約14℃差、日本は約8℃差。
【私の推測(仮説)】
この気温差も結構重要なのではないかと踏んでいます。
よく言われるのは「パキポディウムは秋口の落葉間際によく太る」ということ。これはネットで色々見ていてもそうですし、私も実感したことがあります。グラフのデータには表れてませんが、やはり体感的にも日本の秋は昼夜の寒暖差が大きいですもんね。
例えばトマトなどは昼夜の温度差が大きいと美味しくなるそうです。
これは、気温の高い昼間の高活性な光合成で糖がたくさん作られ、夜間に温度が下がることでその分呼吸が抑えられて糖の消費も減り、最終的生産量が高くなるため。
しかし厳密には、気温差そのものが重要というよりも単純に「秋の気温が自生地の気温に近いから」なのかなと思っています。
暑すぎる日本の真夏は成長が鈍るとも言われますが、酷暑の炎天下では適度に遮光したり、熱帯夜でも十分に(可能であれば人為的に)風を当てたりすることで温度を下げてやれれば、自生地の温度条件に近づき、真夏でも自然な成長が持続するのでは?と推測しています。
③雨季には意外と結構雨が降る
- 乾燥のイメージが強いが、雨季のピークでは日本の梅雨並みの降雨量。
- 休眠期(乾季)はほとんど雨が降らない。
【私の推測(仮説)】
乾季がほぼ断水状態なのはイメージ通りですね。
そして雨季ですが、現地はおそらく日本に比べてカラッと湿度が低く、雨が降り続けるというよりはスコールのようにザーッと短時間で降り止んでいると思われます。
そして現地の写真からも分かるとおり、岩場で土がほとんどないような環境で自生しており土が少なくて非常に乾きやすい。
一般的には、水や肥料を控えめに、いわゆる「締めて育てる」のが丸く育てるコツと言われています。しかし現地の環境(土壌と降雨量)を考えると、成長期(雨季)では「雨が降る ⇔ 土が乾く」のサイクルが頻繁に繰り返されていることが想像できます。
これを再現するために、用土を少なめかつ排水性高めにし、夏場ではそれなりに水を頻繁にあげるほうが自生地の環境に近く、しっかり成長させられるのでは?と推測しています。
自宅にマダガスカルのグランドキャニオンを
ということで、グラキリスの自生地の気候について調べた結果と、私ぞーげきゅうの推測について書かせていただきました。
なお、私の推測部分については、根拠は一切なく個人的な想像から着想を得た仮説でしかありません。
しかし、今後いろいろと試行錯誤しながら現地の生育環境をなるべく再現し、答え合わせできればと思います。
パキポディウム・グラキリスの自生地、マダガスカル。
今回、写真やデータを眺めて現地に思いを馳せましたが、いつか実際に行ってみたい…!
それまでは、自宅の育成スペースを“マダガスカルのグランドキャニオン”に見立て、パキポディウム・グラキリスの宝庫への旅行気分に浸りたいと思います(笑)
現地の環境を思い描いて…
ミサウチャ、ヴェルーマ!
(マダガスカル語:ありがとうございました。ではまた!)
コメント
こんにちは
3年前からグラキリス(実生株)を育て初め今年に入り種子購入して
パキポティウムの数種類を種子購入して発芽させています。
初めてなので、いろいろ検索して参考にさせていただいてます。
最近は毎日こちらの記事をよく読んで参考にさせていただくことが
多いので、お礼かたがたメールいたしました。
職場は港で日光と潮風が豊富なので、2年目以降は金城ふ頭で育て
種子は自宅で試行錯誤してます。
とても参考になるのと非常に丁寧に細かく記載と写真があるので
非常に参考になっております。
まだまだ始めたばかりでわからないことが多いのですが、種子も10日過ぎて
やっと3割ほど発芽確認ができてうれしくなりました。
今後ともよろしくお願いします。
>高木俊光さま
こんにちは^^
お返事が大変遅くなり申し訳ありません。
当ブログを読んで参考にしていただいているということで、とても嬉しいです!!
こちらこそ、本当にありがとうございます!
金城ふ頭の日当たりと吹き抜ける潮風、とても株の生育によさそうな環境ですね。
蒔いた種が徐々に発芽してくるとなんとも嬉しいですよね~。
ブログも拝見しました^^常識にとらわれず本当に色々と試行錯誤されていて素晴らしいですね!
私もぜひ参考にさせていただきたく思いますので、いろいろ情報交換できると嬉しいです^^
こちらこそ、今後ともよろしくお願いします!