どうも、ぞーげきゅうです!
私は昨年、自身初めてのパキポディウム・グラキリスの実生に挑戦しました。
▼昨年の実生記録はこちら
このときは、ネットで購入した種から育てました。
一方、今年はうちの現地球株に花が咲いたので人工授粉での自家採種に挑戦中で、順調にいけば種が採れそう!なのですが、一つの親株で一時的についていた虫の影響なのか、花茎が突然落ちる事態が…。
これを受け、「虫はついてないものの、万が一いま種鞘が育ってきている株も花茎が落ちてしまったら、蒔く種がない…」という不安から、先行的に今年もネットで種を購入しました。
どうしても実生がしたくて仕方ないのです…(笑)
ということで、今年もはじめました。実生!
種を購入
今回購入した種は、10粒。
国内で個人の方が自家採集されてすぐのものです。
しかし、あらためて数えてみると…11粒ありました。
1粒サービスしていただいたと思って、大事に育てたいと思います。
採種したてとのことで、とても鮮度の良い種なので期待大です!
播種(全手順を紹介)
ということで、種や土の下処理を行い、種を蒔きました。
ちなみに、ごく一般的ではありますが、私が行っている播種の全手順もご紹介しておきます。
種を水に浸ける
初めに種を水に浸けておきます。
この工程では、次のものを使います。
- ベンレート …(種の殺菌消毒)
- メネデール …(発芽促進)
- 計量カップ …(水の計量)
- 100均トレー …(種の浸水容器)
まず、ベンレートとメネデールの希釈水を作ります。
(それぞれの規定濃度どおり、ベンレートは2000倍・メネデールは100倍で希釈)
このときに、どちらも水1Lでの希釈例がボトルや袋に書かれているので、1Lの計量カップが分かりやすいと思って私は使っています。
まあ水1Lでなくとも単に計算すればいいのですが、
水1L:ベンレート1袋(0.5g) でちょうど2000倍。
私は一度開けた袋はその時に使い切ってしまいたいので、1Lで希釈しています。
そしてメネデールも、
水1L:ボトルのキャップ1杯(10ml) でちょうど100倍。
で、希釈水が完成します。
<※補足>
最終的に希釈水は1Lも要らないので、薬剤がもったいない場合は、グラムスケールや計量注入器(注射器とかシリンジ)などで必要量を計ると良いと思います。
そして、100均トレーなどの容器に希釈水を移し、種を浸けます。
水に浸けておく時間ですが、私は昨年12時間で発芽率100%だったので、今年も同様に12時間浸けました。
12時間浸けた種はしっかり吸水してみずみずしくなり、ぷっくり膨らんでいます。
また、中には浸けているうちに沈む種もありますが、特に問題はありません。
土の殺菌処理
次に、種を蒔く土の準備です。
腰水にしたり、湿度を高く保つためにカビが発生しやすいので、土は事前に殺菌処理をしておくのがセオリーです。
ちなみに昨年こちらの記事で書いたのですが、表土の粒が大きいと、発芽以降にうまく根が張れず、苗が倒れてしまったり、露出した根が日に焼けてしまいます。
なので、表土には粒の小さな土を使うのがおすすめ。
そして今回は、実験的に2種類の土を試してみようと思います。
1つ目は、過去にご紹介した山城愛仙園さんのオリジナル培養土。
実生には、「多肉植物用 小球用」の4番が適しているとのことで、これを使ってみます。
▼山城愛仙園さんのオリジナル培養土に関する記事はこちら
実生では、肥料分の入っていない土に播種するのが一般的。前述のとおり、湿度が高い状態を維持することから、肥料があるとカビや苔が発生しやすいためです。
山城愛仙園さんの培養土は肥料も入っているため、実生の場合は他の無肥料の土で発芽させ、ある程度育ってからこちらに植替えるのが本来の使い方なのですが、今回はお試しも兼ねて。
2つ目は、硬質赤玉土の極小粒。
こちらは逆に正攻法で、肥料分なしの赤玉土のみで。
後々に植替えるかどうかは、苗の生育具合や時期的なところで様子を見ながら考えたいと思います。
昨年に表土として使い、粒が大きすぎて失敗した小粒との比較。
こうやって見ると、やはり小粒は発芽初期には大き過ぎるなと感じますね。
さて、では土の殺菌処理です。
鉢は、昨年と同じプレステラ105を使います。
土を入れて、
沸騰させたお湯をかけて熱湯殺菌。
その後、時間をおいて土を冷まします。
種を蒔く
土が冷めたら、いよいよ種まき!
パキポディウムの種は、土に埋める必要はなく、種の向きも気にせずただ土の上に置くだけ。
これも昨年同様、プレステラ1つあたり5粒ずつ蒔きました。
そして端数の11粒目は、育苗用のポットに。
土は2種類のハイブリッドで、愛仙園の培養土に表土として硬質赤玉土を薄く敷いてます。これもお試しです。
その後の管理
種を蒔いたら、腰水で管理します。
そして、容器にラップをかけて湿度を高く保ちます。
最初の腰水には、種を12時間浸けたときのベンレート&メネデールの希釈水の余り分を使っています。
置き場所は、直射日光の当たらない明るい窓際。植物の種子には「好光性」と「嫌光性」がありますが、パキポディウム・グラキリスの種は明確にどちらかに分類されるものではないようで、適度な明るさがあれば問題なく発芽します。
また、環境温度については、25℃以上が発芽に適した温度とされています。
私は昨年・今年と6月に播種しましたが、室温は25~28℃くらいでした。6月は、我が家での種まきの最適期です。
そしてここからは、
- 1回/日、腰水を新しい水(水道水でOK)に交換
- 2回/日(朝・晩)、霧吹きする
- 発芽しているか(カビてないか)よーく観察する
をやっていきます。
…というのが、私が実践している全手順です。
経験上このやり方でうまく発芽しているので、私は自信を持ってこの方法で播種しています。
発芽!
播種から2日
2022年6月8日に播種したその2日後…、早速1つ発芽しました!
いやー、これはやっぱり嬉しいものです!
昨年初めて発芽を確認したときの気持ちを思い出しましたね。
播種から3日
さらにその翌日。
続々と発芽!
この時点で、11粒中5つの発芽を確認。
播種から5日
経験上、新鮮な種であれば、蒔いてから5日も経てばほとんどが発芽します。
昨年は5日間で9/10粒が発芽しました。
今年は…
5日間で9/11粒でした。順調ですね。
播種から1週間
そして、種まきから1週間経過時点の様子がこちら。
11/11粒、全て発芽!
ちなみに、昨年も全ての種が発芽したのは1週間後でした。
まとめ
ということで、今年も発芽率100%でした!
種の鮮度がとても良かったのと、やはりこの時期は播種に適しているんでしょうね。
管理のやり方についても、さらに自信が深まる結果となりました!
今年もまた、この発芽したての幼苗の成長を楽しみながら園芸シーズンを謳歌したいと思います。
それでは、また!
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