グラキリス実生記録(2021年6月播種)【1ヶ月経過】

アイキャッチ(実生2021.6播種 1ヶ月経過) 実生(2021年播種)

初挑戦のパキポディウム・グラキリス実生。
前回は播種から2週間までの記録でした。

ここからさらに約半月経過し、実生苗たちがどうなったか綴っていきます。

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播種から1ヶ月経過

全ての苗に本葉も出て、それぞれ順調に育っています。
成長速度としてはすでに個体差が結構現れていて、大きい本葉を2対展開しているものもあれば、やっと最初の本葉が出たばかりのやつも。

播種から1ヶ月経過時点

ちなみに、この赤と青のシールは育て方のグループ分けをわかりやすくするために貼りました。
それと、後述しますが、水辛めで育てる予定だったスパルタ組も腰水に浸かっています。

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育て方による違い(スパルタ育成組 & ゆとり育成組)

前回の記事(播種~2週間時点)で、ベストな育て方を探るための比較実験として育て方を2グループに分けました。

育て方のグループ分け
  1. スパルタ育成組(白いラベルを挿してあるほう)※赤シール
    ・屋外でガンガン直射日光に当て、腰水も早い段階でやめる。
    (日光が出ていないときは植物育成ライトを当てる)
  2. ゆとり育成組(白いラベルが無いほう)※青シール
    ・本葉が出るくらいまでは植物育成ライトのみ。
    ・本葉が出て以降は屋外には出すが、遮光する。
    ・しばらくは腰水を継続する。

(↑ 前回記事より)

ちょうどグループ分けしたくらいの頃から梅雨が明け、真夏に突入。
気持ちのいい晴天が毎日続きました。

真夏の直射日光&腰水なしはさすがに厳しい

腰水管理をやめていたスパルタ組は、さすがに真夏の暑さと直射日光が厳しかったようで、朝にたっぷり水をあげても夕方にはシワが入って萎れた状態になっていました。

スパルタ組の萎れ具合
ちょっとスパルタすぎかなー…と。
※左手前の苗が倒れてますが、立て直してあげました。(記事後半にて)

もともと水辛めで締めて育ててみるという方針ではありましたが、枯れる寸前のギリギリな感じで、たとえ毎日灌水しててもいつか猛暑日が来たら危ないかも…。

ということで、まだ水を蓄える体力もない幼苗でこの状態はリスクが高いと判断し、スパルタ組を腰水管理に戻しました
それが播種から27日目でした。

そして、ここまでの育て方の違いによる影響らしき差異が出てきました。

葉の大きさ

実生苗たちを上から見ると。

播種から1ヶ月時点(上からアングル)

左のゆとり組は葉が大きくなり、本葉も2対目がどんどん出てきています。
それに比べ、右のスパルタ組は葉が明らかに小さい

この差が生まれた要因については、次の3つの可能性が考えられると思っています。

  • <可能性①>
    植物の一般的な傾向として、光の当たる量が少ない環境では、より光合成を行おうとして葉が大きくなるが、ゆとり組にその傾向が現れた。
  • <可能性②>
    「遮光された光の強さが適切だった」または「常に腰水に浸けていた影響」などによって単純にゆとり組が速く成長できた
  • <可能性③>
    スパルタ組は、光阻害によって成長が遅れている。

    ※強すぎる光によるストレスで光合成細胞が傷害を受け、光合成能力が低下すること。
    こちらのサイトでとても詳しく専門的に解説されています)

①と②については、おそらくどちらも影響していて、ゆとり組は悪く言えば徒長気味になってるのかな…?と。
ただ、最初に徒長していても後から太ってきた例も見かけますし、来たるべき越冬に備えて幼苗の時期はなるべく早く成長させたほうが良いという考え方もあります。

③は難しいところ。
本来の自生地では発芽したときから親株と同じ環境で育っていくはずなので、強い光を受けたのが悪いことではないと思うんですが…。
ただ、自生地以上に日本の夏が暑すぎたり日差しが強いのであれば起こり得るので、何ともいえませんね。

高さ・太さ

ゆとり組のナナメアングル
ゆとり組。なんとなく、ひょろっとした印象。
スパルタ組のナナメアングル
スパルタ組。低く太く見えなくもない…気がする。

画像では少し分かりにくいですが、ゆとり組に比べてスパルタ組は背が低いです。
そしてなんとなく、ぷっくり太さがあるような気がします。
(高さがない分そう見えるだけかも?というレベルですが・・・)

すなわち、直射日光ガンガンで水辛め(途中まで)で育てたスパルタ組は私の狙い通り、徒長せずに詰まった姿に育ってきているのでは…!?
という希望的観測をしています(笑)

日焼け具合

他に明らかな差異が見られるのは、やはりボディの色ですよね。
スパルタ組は真夏の日差しを遮光なしで受けているので、こんがり焼けた濃い赤茶色。

よく見かける実生苗の色に比べて少し痛々しいくらい焼けてるので、最初は心配しました。
でも葉は全く焼けてないし、調子も特に悪くなさそうなので、直射日光は継続中。

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倒れた苗を救済(今回の反省点)

現時点で、今回の実生で失敗だった点がひとつあります。
それは表土に敷いた硬質赤玉土のサイズです。

【赤玉土】小粒でも大きい

今回、私は「小粒」を購入して使いました。
粒の大きさは約3mm~6mmですが、これでは粒が大きすぎるようです。
赤玉土の粒と粒の隙間が大きいために根が張りにくく、倒れてしまう苗がありました。

倒れた苗①

これはゆとり組の中で一番太く育っていた子なのですが、倒れたまま成長していました。

倒れた苗(ゆとり組)
ぷりっとしたいい形。

子葉が土に着いてしまって、根も見えちゃってます。
遮光しているとはいえ、日光が当たって根がピンク色に焼けてます…。

完全に横たわっている状態だったので、さすがにこのままでは立ち上がれないと思い、立て直して根に日光が当たらないよう土を被せました。

立て直し後(ゆとり組)
ピンセットを使って慎重に作業しました。

倒れた苗②

それと、スパルタ組にも1本倒れてしまった子が。
このとき腰水もしていなかったので、こちらは露出している根が完全に焼けてしまっていかにもダメになりそうでした。
しかし立て直してからは、元気を取り戻しました!

倒れた苗(スパルタ組)
根がカラカラに乾いてしまってます。
立て直し後(スパルタ組)
水をしっかり吸い上げてぷくっと回復。

その他の苗たちはしっかり根付いてるようで、今のところ倒れず育ってます。

【今回の学び】実生の表土にはできるだけ粒の細かいものを

表土の粒が大きすぎると良くないことは事前に調べて知っていたんですが、具体的なサイズを把握しておらず「小粒」なら大丈夫だろうと油断しました…。

この失敗から、今後は実生の表土には「細粒」または「極小粒」を使おうと思います。
ちなみに、一般的なサイズは下表のとおり。(もちろんメーカーによってサイズは若干異なります)

 粒の種類 サイズ(mm)
大粒12~20
中粒6~12
小粒3~6
極小粒2~3
細粒1~2
今回使用した硬質赤玉土(小粒)
3mm~6mm。
実生には少し大きかったようです。

粒のサイズで変わるのは排水性(大きいほど水はけが良い)ですが、この場合は表土に敷いてるだけなのでそこは気にしなくていいと思います。
むしろ発芽初期にしっかり根を張れて倒れないことのほうが重要でしょう。

実生はすごく楽しい!

まだ1ヶ月ですが、実生を育てるのは本当に楽しいです!
苗たちの変化の様子を確認するのが毎日の楽しみの一つになっています。

実生で育てた株をみなさん可愛がられていますが…
そりゃー、実生で種から自分で育てた株には愛着が湧きますね!
この1ヶ月でその気持ちがよくわかりました(笑)

次はまた1ヶ月後に記録します。
その頃にはどう成長しているか、今から楽しみです!

▼続きの記事はこちら

コメント

  1. box より:

    こんにちは。グラキリスの実生にチャレンジしている者です。大体1ヶ月経過しているのですが、本葉が黄色く変色してしまいました。根は充分延びており根ぐされはなさそうです。腰水管理をしていますがやめ時でしょうか。日照不足でしょうか。アドバイス頂けますと幸いです。よろしくお願いします。

    • boxさん

      こんにちは!
      コメントありがとうございます。
      未熟者ながら私の考えを伝えさせていただきます。

      うちの苗ももうすぐ4ヶ月経過になりますがかなり本葉が変色してきてます。
      しかし、黄色ではなく赤茶色に変色してきていますね。おそらく、8~9月の直射日光ガンガン&水の控え過ぎで焼けてしまったのかなと。。

      私も今年が初めての実生挑戦なので、まだまだ経験も浅く色々試行錯誤しながらなのですが、今まで育ててきた実生2年目以上の株だと、気温が下がってくると徐々に葉が黄色くなって落葉します。
      おそらくboxさんの実生苗もそれと同じ状態だと思うので、気温低下に伴う休眠が始まっていると思います。
      ちなみに今の置き場所は屋外ですか?ここ1週間で一気に気温が下がってきたので、私は実生苗を最近屋内に取り込みましたが、葉はまだ黄色くはなってきていません。(相変わらず赤茶色ですが・・・)

      まだ発芽~1ヶ月ということで苗のサイズ的にもかなり小さいでしょうし、冬越しは大変かも知れません。
      私も初めてなもので色々とわからない部分も多いですが、発芽~4ヶ月の状態でもまだまだ小さいので「冬大丈夫かな…?」と心配になっています。。

      しかし落葉も始まっているようなので根から吸い上げる水の量は減ってくるでしょうし、これからは気温も低くて成長させるのはなかなか難しいので、腰水管理はやめて苗のボディが萎んできたら軽く水をやる程度でなんとか冬を乗り切るしかないかなと思います。
      それか温室などの温かい環境と十分な光量を準備できるのであれば、もしかしたら冬の間も成長を促せるかもしれません。

      あとは日照不足に関してですが、普通に屋外で日光を当てていたりLEDライトなどで育てていれば、徒長することはあっても日照不足で葉が黄色くなることはないと思います。(よほど光の当たらない環境とかだと分かりませんが…)

      大したアドバイスが出来ず大変申し訳ないですが、何か少しでもご参考になれば幸いです。
      グラキリス実生、ともに楽しみながら頑張りましょう!

      • box より:

        アドバイスありがとうございます。寒さ対策が後手になってしまい反省しているところです…。
        ヒーターと追加のLEDを導入し冬を乗り切ろうと思います。
        今後もブログ拝見させていただきます!

        • boxさん

          私も実は寒さ対策についてあまり考えていませんでした。
          早めに取り込めば葉を落とさず冬を迎えられるかなーと軽く考えていましたら、うちの実生苗たちもここ数日で一気に落葉してしまいました。
          もうこのままなんとか冬を乗り切るしかないです。
          しかしこれも一つの経験ですね!

          本当にありがとうございます!とても嬉しいです。
          これからも私自身が全力で楽しみながら、読んでくださった方にも楽しんだり参考にしていただけるようなブログを目指していきますのでよろしくお願いします!

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