どうも、ぞーげきゅうです!
夏前くらいから新居への引越しなどで私生活のほうがバタバタしており、更新できていませんでした。
ということで、今回はかなり過去を振り返っての記事となりますが、綴っていきたいと思います。
温室で発根管理していたグラキリスに白絹病らしきものが発生し、急いで処置したときの記録です。
(※)結果的に、白絹病ではありませんでした。
“白絹病” 発生!?
今年1月から発根管理中の、こちらのワイルドな大株。
▼この株の発根管理記録についてはこちら
写真は今年の4月時点ですが、葉っぱワサワサ、塊根カチコチ。
さすがにもう十分根は張ってるだろうと思える状態!
ということでこの日、このスリット鉢のスリットを「そろそろ根っこ出てないかなー?」と覗き込んでみました。
結果、その奥に待望の新鮮な白い根を見つけてガッツポーズ!
しかしこの時、この根と同時に、不気味で “イヤなもの” も目に映りました。
ふわふわした菌糸みたいなのに覆われた、白色または薄黄色いツブツブ…。
ピントが合っていないが、奥にうっすら見える黄色いツブツブ。(すでにキモチワルイ)
これ、実は過去に他の植物(ドルステニア・フォエチダの子株)を植替えたときに見たことがありまして…その時にネットで色々調べて、「白絹病」という恐ろしい病気に辿り着いたのです。
複数のサイトで “感染すると治ることはなく、最悪の場合まわりの植物も全滅に至る” とか、“発生したらまずその株はすぐに鉢と土ごと処分しなければならない” というような内容が書かれている、とんでもなく怖い病気です…。
過去には問題なかったが…
白絹病はカビの一種で、風通しの悪い高温多湿な環境で発生します。
私はドルステニア・フォエチダの土を常に湿らせ風通しのあまりよくない場所で管理していたので、発生状況的にも合致するということで、そのときは調べたとおり、その株も鉢も土も、残念ですが全て処分しました。まわりの他の植物に感染していないことを祈って…。
そしてその後、結局他の株に何も異常はなく、気づけば年月が経過していました。
しかし今回は、感染対策とはいえ、そう簡単に処分に踏み切れる株ではありません。個体別に扱いの差をつけるのは良くありませんが、正直、貴重な現地球の大株です。即処分はさすがに…。
しかも、今のところ特に調子自体は全然悪くなさそう。
ただ、この株はずっと簡易温室で発根管理していて、サーキュレーターは回していたものの温室は一応密閉空間ですし、レンズヒーターで加熱された鉢内で湿気がこもったのかも知れない…と、カビる要因に心当たりが無いわけではなかったので、白絹病らしきモノとの再会に鬱々としながら、とりあえずでき得る限りの処置を施すことにしました。
【閲覧注意】土から抜いて確認
「また白絹病が出てしまった、まわりの株にも広がっていたらどうしよう…」という最悪な気分を必死に振り払い、まずは状況確認。鉢から抜き上げました。
素晴らしい充実の根!
1月20日に植え込んで発根管理を開始し、これが4月5日時点なので2ヶ月半でこの根量!発根管理自体はとても上手くいったようです。
さて、ここからが衝撃キモ画像です。
苦手な方はブラウザバックしてくださいね。
いやあぁあああぁぅうげえぇええ
こういうのが、間違いなく園芸の裾野の広がりを妨げていると思います。
虫やらカビやら、多かれ少なかれある程度園芸には付き物ですが…とはいえ、しかしこれはさすがに気持ち悪い。
一応、当ブログは自分の記録用と、読まれた方のご参考になればと残している物ですので、他の箇所で見つかった画像も掲載しておきます。
サイズは、球1つの直径が1mmもないくらいでしょうか。
色は結構黄色いですよね。
ネット情報だと、白絹病の菌核は初め白色~黄色で次第に褐色になると。
それでいくと、まだ比較的初期の段階で発見できたのでしょうか。
【応急処置】根を整理・洗浄殺菌
とにかく、菌核をすべて取り払うため、付着していた根を切りました。
幸い根の先端のほうにしか菌核はついていませんでした。
感染力が物凄いとのネット情報から、土が散らばってしまったこのべランダ床面も後で洗浄しないと…と思いながら作業。
そして、規定倍率に希釈したベンレート水に根の部分をドボン。
これで15分ほど浸けおき、殺菌。
そしてその後は自然乾燥させ、新たな鉢と用土に植付けました。
発根の生え際を観察
発根管理には無事成功したので、こうやって根まわりの土を全て落とした(不本意ながら)ついでに、新しい根の生え際の様子を観察してみました。
おおー、切断処理した主根の断面からびっしりと。
こちらの違う断面からも、根が出てます。
これまでにベアルートから発根した株で根元の土をここまで崩すことは無かったので、マジマジと見て「なるほどこんな感じで断面から出てくるのか」と、勉強になりました。
ほかの株にも白絹病らしき菌核が…
この日、他にも同じ菌核が見られる株が見つかったので、すぐに処置しました。
温室で冬を越した発根済み株
まずはこちらの現地球。
この少し前に、表土を掘って発根を確認していた株です。
▼この株の発根管理記録(発根確認)についてはこちら
塊根部に若干凹みがあり発根の確証がなかったので、温室で冬越しさせていました。
「まさか、こっちにも発生してないよな?こっちにもあったら、もはや感染拡大はもう間違いないんじゃ…」と考えながら。
すると…
ううぅ…
いや、まあそりゃー普通に考えたら当然と言えば当然。
同じ環境で同じ用土を同じように温めていたら、同じようにこの黄色いツブツブ菌核がいても何の不思議もない。
感染したのか、これはこれで単一に発生したのかは、もはや不明。
菌核のついた部分の根を切り詰め、洗浄。
そしてベンレート希釈水での殺菌消毒。
全く同じように処置しました。
しかしこれは株へのダメージが相当大きいはず。
しばらく調子を崩す覚悟はしておかなければいけません。
12月から発根管理中の株
冬の間、前述の株と同じ温室で一緒に発根管理していた別のベアルートグラキリスの鉢スリットも確認してみました。
▼この株の発根管理記録についてはこちら
結果は、
まあ、これもそうか。もう驚きません。
条件が全て同じですから。
そして、この株自体、発根管理開始時に比べて表皮に張りがなくちょっとシワっぽいので、葉はたくさん出てるけどおそらく未発根。
ひとまず土は全換え確定なので抜いてみました。
うーん、やっぱりかという感じ。
とりあえず全体をベンレートで殺菌消毒し、自身初めてのリセット処理です。
主根をカットすると、断面はとても綺麗で樹液も滴り、新鮮そのものでひと安心。
水を吸い上げる根が無い状態で、葉からの蒸散作用によって水分が失われてしまうので、今ある葉をすべてカット。
根を切られ葉を切られ…痛々しいですが生きてもらうため。
この後、発根促進剤のオキシベロン希釈水に浸け置き、新たに植え込んだ様子がこちら。
さあ、再出発。
前回よりも断然水はけの良い用土に、土の量も少なくして植えました。
そして、また温室で管理開始。
ここからは、サーキュレーターの風をしっかりと当てつつ、かなり用土を乾かし気味にしてから水をやるように管理のしかたを変更しました。
このグラキリスは12月から発根管理していますが、約3ヶ月半経って葉が茂って根が出ていないと、こんな感じでシワが出てくるという一つの良い経験になりました。
これでまた経験値を積み、グラキリス園芸レベルアップ!
と、未発根を前向きに捉えてる場合じゃない。
園芸レベル云々以前に、これによって私自身が園芸をやめてしまう事になるかも知れないくらいのピンチを迎えているのです。
白絹病らしき株が続けて3つも見つかり、これがもし万が一ほかの株にも蔓延していて、全部枯れてしまったら…そのときはショックで立ち直れず、おそらく私は園芸をやめてしまうでしょうね。
本当に白絹病?
これだけ “菌核” がポンポン出てしまった。
とはいえ、この3株と同じ温室で育成していた実生株のほうにはどうも菌核はなさそうだし、調子もすこぶる良い。
そもそも、この3株だって特に調子が悪いわけではなく、白絹病に関する情報の中で謳われているほど枯れるような様子は一切ない。(未発根だった株も主根断面に腐りは無く状態はとても良かった)
あれ?
ここまで処置したけど、あの黄色いツブツブ菌核は、実は白絹病では無い?
【結論】恐らくキノコかカビの菌核
当然この時すごく怖くて、すごく調べました。ネット上の画像情報とも照らし合わせて、片っ端から漁るように調べ尽くしました。
そしてその中で、同じような見た目をした “キノコの菌核” も検索にヒットしました。
もうかなり時間が経ったのでそのキノコの種名は忘れてしまいましたが。(今調べてみても辿り着けない…)
その他にも、白絹病とは別の “カビの菌核” という可能性もありそうでした。
しかし、見た目はどれも同じような感じで、見分けられませんでした。
そして結局、我が家で4月にあの黄色いツブツブを見て以来、処置した3株とも元気でしたし、異常な様子のある株は一つとして出ませんでした。
というわけで、アレがもし白絹病であったならこんな無事では済まなかったはずなので、恐らくキノコか無害なカビの菌核だったのでしょう!
例の3株に使用していたのは有機培養土でした。過去にドルステニア・フォエチダの土で見たときの土も同じ有機培養土でした。やはり有機質の用土だと、こういう事もあるようです。
現在私は100%無機質の用土を使用しているので、こういったリスクも少ないかなと。
いやしかし、本当に良かった。
植替えの際、土にこんな気持ち悪いツブツブを見つけたときは、一旦落ち着きましょう。
それはキノコや無害なカビの菌核かもしれません。
この記録が、私と同じく園芸を楽しむどこかの誰かの参考になれば嬉しいです。
それでは、また!
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