グラキリス実生記録(2021年6月播種)【2ヶ月経過】

アイキャッチ(実生2021.6播種 2ヶ月経過) 実生(2021年播種)

今年6月に種を蒔いて発芽し、その後日々成長を続けているパキポディウム・グラキリスの実生苗たち。
播種から2ヶ月が経過しました。

▼前回の1ヶ月経過時点での記録はこちら

実生苗を育てていると、ある程度育った状態で迎えた国内実生株や現地球とはまたひと味違った愛着が湧いてきます。
やはり種から育てているということで、他にはない「わが子」感がありますね!

今回も、そんな可愛い実生苗たちの成長記録を綴っていきます。

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播種から2ヶ月経過

夏も本番の8月に入り、降り注ぐ灼熱の陽光でガンガン育てるぞ!と意気込んでました。
しかし、この時季では異例の長雨に見舞われ、まともに太陽が出ない日がお盆前から2週間以上続きました…。

2021年8月の天気
私の居住地付近の8月の天気。
今年は梅雨が2回あったようなものでした…。

この1ヶ月間はその長雨の影響でなかなか日光に当ててやれませんでしたが、しっかり着実に育ってきています!

播種から2ヶ月経過時点
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この1ヶ月間での成長(スパルタ育成組 & ゆとり育成組)

これまでの実生記録でも書いていますが、今回の実生では10本の苗を実験的に育て方の違う2グループに分けて育ててきました。

育て方のグループ分け
  1. スパルタ育成組(白いラベルを挿してあるほう)※赤シール
    ・屋外でガンガン直射日光に当て、腰水も早い段階でやめる。 ← 腰水を再開
    (日光が出ていないときは植物育成ライトを当てる) ← 曇りでも屋外のまま
  2. ゆとり育成組(白いラベルが無いほう)※青シール
    ・本葉が出るくらいまでは植物育成ライトのみ。
    ・本葉が出て以降は屋外には出すが、遮光する。
    ・しばらくは腰水を継続する。

↑ 試行錯誤の中で都度変更し、前回の1ヶ月経過時点ではこんな感じ。)

この実験を通じて、実生苗(特に発芽初期)のベストな育て方を探れればと思っています!

葉の大きさ・数

↓ 前回(播種から1ヶ月経過時点)の上から見た写真。

播種から1ヶ月時点(上からアングル)
(左:ゆとり組 右:スパルタ組)

↓ そして今回がこちら。

播種から2ヶ月時点(上からアングル)
(左:ゆとり組 右:スパルタ組)

スパルタ組は、1ヶ月前のゆとり組と同じくらいの葉に。
ゆとり組はさらに先行してぐんぐん葉が大きくなっています。

本葉の数も、スパルタ組が3対、ゆとり組は4対くらいと差があります。
ちなみに、ゆとり右下・スパルタ右上の苗は、前回倒れてしまってたので立て直した子たちです。

高さ・太さ

↓ 前回。

↓ 今回。

みんなそれぞれググッと成長してる!
そして、やっぱりスパルタ組は比較的太く詰まった姿をしているように見えます!
これが私の色眼鏡的な見え方でなければいいのですが…(笑)

ボディが白っぽくなってきた

ついに始まりました!
いかにも幼苗という感じから一気にパキポディウムらしくなる、ボディの木質化。
(塊茎部が灰色・銀色っぽくなっていく変化を勝手に「木質化」と呼んでます)

スパルタ育成組

こちらは、全部の苗の中で一番白い子。
いい感じに太く、期待できそうな形です。

ボディが白っぽくなってきた苗1
スパルタ組の中でも特にずんぐりしてるヤツ。

この苗も結構白くなってきてます。

ボディが白っぽくなってきた苗2
同じくスパルタ組。この子もぷっくり。

ゆとり育成組

倒れてしまっていたのを立て直した、ゆとり組の中で一番ぷりっとしてる子。
ボディ表面が少し白っぽい。

ゆとり組のぷっくりした苗
順調にぷりぷりしてます。

シュッと背が高い、このグループの代表格。
なんか…土に挿した柿の種みたいになってきました(笑)

柿の種みたいな形の苗
柿の種(亀田製菓)
柿の種(亀田製菓)

ちなみにどうでもいい事ですが、この木質化の完了をもって、「苗」から「株」に呼び方を変えていこうと思ってます。

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【育て方の変更】グループ分けは終了

腰水を卒業(両グループとも)

前回の記事で、「ゆとり組に加えてスパルタ組も腰水管理に戻した」ことを書きました。
しかし、先述の長雨でなかなか晴れない日が続くのでは、腰水のままだとさすがに徒長しそうだなと思ったので、長雨に入るタイミング(播種から1.5ヶ月)で両グループとも腰水をやめました

直射日光&腰水なしでも、もう大丈夫

スパルタ組は、もともと腰水をやめた後で真夏の直射日光で萎れてしまったために再び腰水に戻していましたが、今回の腰水卒業後は一日中の炎天下でも萎れることなく乗り切れました。

1日直射日光後の状態
水やりなしの一日中直射日光下でも萎れませんでした。

今の苗の大きさであれば、腰水なしでも耐えられるようです。

遮光を卒業(ゆとり育成組)

ゆとり組の遮光も、長雨にあわせて外しました。
雨天・曇天が続くのに遮光してる意味はないですもんね。
そして、長雨が明けてからもそのまま遮光なしを継続しています。

後述しますが、ここまでで、今回のグループ分けの短期的な結果についてはとりあえず出たと思っています。
そして、ゆとり組も早い段階で直射日光で育てていきたいので、ここでゆとり組も遮光を外し、育て方を統一していきます。

今後の育て方

ということで、今後は実生の10苗全てを「直射日光&腰水なし」で育てます
要するに特別なことは何もせず、現地球とかと同じように、ガンガン日光に当てて辛めの水やり!という管理でいきます。

ただし冬場については、まだ小さい1年目の幼苗なので落葉させずに越冬させようと考えています。

【比較実験の結果】育て方を2パターンに分けて見えたこと

今回の育て方のグループ分けで、現時点でそれぞれの成長具合に明らかな有意差が見られました。
そしてここまでで得られた結果と考察をまとめると。

  • 発芽初期※1 から直射日光に当てることで低く太く育ち、徒長が抑えられる。
    ただし、強すぎる日光での光阻害※2により、成長が遅くなっているだけという可能性もある。
    また、葉焼けはしなかったものの、ボディはかなり日焼けした。
  • 水を控えめ※3 にすることで徒長が抑えられ、太く育つ。
    ただし、上の直射日光による結果と重複するため、実際にこれが影響したかは不明。
  • 適度に遮光※4 することで、速く成長する。
    ただし、日照量の不足によって葉の成長が促進され、全体的に徒長しているだけという可能性もある。

    ※1:今回は播種から2週間以降
    ※2:強すぎる光によるストレスで光合成細胞が傷害を受け、光合成能力が低下すること
      (こちらのサイトでとても詳しく専門的に解説されています)
    ※3:一時的に腰水をやめていた(苗が萎れるくらいの厳しい環境)
    ※4:今回は50%遮光

これらはあくまで仮説に過ぎず、どう育てるのがベストかは、結局まだハッキリしません。
ただ現時点で、早い段階から直射日光ガンガンで水辛めに育てると、葉が小さく・少なく、低く太く育ったというのは事実です。
そして、この結果をどう捉えるか。
短期的には、スパルタ組の育て方は徒長を抑えながら太らせることができていると考えて良いと思っています。
なぜなら、自生地では親株も発芽苗も同じように強い日差しを浴びているはずですから、基本的には発芽当初から親株と同じ環境で育てるのがベストなはずと思っているので!

しかし、もうしばらく長期的に今後の成長過程を観察していかなければ最終的な結論は出せません。
(もしかすると、例えば日本の炎天下は自生地よりも厳しく、スパルタ組の日焼けダメージが大きすぎて光阻害の影響が強く出ることで、今後成長不良などを引き起こしたりするかも知れません。)

今後は全て同じ環境で育てていくことになりますが、ここからどんな風に成長していくのか。
発芽初期の生育環境の差が後々どう影響してくるかをじっくり見届け、実生苗のベストな育て方についての結論を見出したいと思います!

それでは、また次回!


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